齋藤 達也
(南区 白根さいとう眼科)
最近は健康食品、サプリメントが話題に上ることが多く皆さんの健康に関する意識の高まりには驚かされます。眼科でも目に関する健康食品の質問は多く特にブルーベリーに関する質問が多いようです。
そもそもブルーベリーが目に良いとされたのは第二次世界大戦中、イギリス軍のエースパイロットがブルーベリーを積極的に食べていたと言う噂から始まったものだそうです(これは英軍が流したデマという噂もあります)。
ブルーベリーには網膜に良いとされるアントシアニンが多く含まれています。アントシアニンは紫色の色素で生活習慣病や老化を防ぐ抗酸化作用があります。目に関しては光を感じる網膜の働きを支えているロドプシンという色素の再合成を促しています。網膜の光を感じる力が弱い方には効果があるのかもしれません。しかし医学的な裏付けのある薬理作用などは確認されておらず、日本ではアントシアニンを薬効成分とした医薬品も認可されていません。ブルーベリーが白内障に効くとか近視になりにくいといったことはありませんのでご注意を。
アントシアニンの効果は、食後4時間ほどで現われて24時間後には消失するとされているので、一度にたくさんのブルーベリーを食べてもあまり意味がありません。加熱・冷凍しても成分はほとんど変化しないため、保存がきくジャムやジュースなどにして、毎日少しずつ摂るだけで充分です。
健康食品は必要以上に摂取しても効果が変わらないもの、副作用が出てしまうものなどあるようです。日々のバランスの良い食事が大切と思います。
(2007.09.04)