能仲 太郎
新潟市医師会会員の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。2024年4月、新潟市中央区に婦人科クリニックを開院いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。当院は、2025年3月に新しく誕生予定のJR上所駅から徒歩10分程の場所に位置しています。開院当初より産婦人科専門医2名(夫婦)による2診体制で診療を行っております。また、Web予約・Web問診システムを導入し、十分な診療時間の確保と患者様の待ち時間短縮を図っています。さらに、インスタグラムやLINEなどSNSを活用し、HPVワクチンなどの正確な情報発信と普及に努めています。
開業を決意した直接的なきっかけは、私が長年在籍し、診療・研究を行っていた新潟大学医歯学総合病院不育外来が、2021年末に閉鎖されたことです。これにより、当時担当していた多くの患者様に多大なご不安・ご迷惑をお掛けしてしまいました。このような経験から、できるだけ患者様に寄り添い、かつ多くの患者様から学んだ知識と経験を、より身近な立場で発揮できればと思い、開業を決意いたしました。また、開院前の数年間は長岡に勤務しておりましたが、この間に諸先輩方が長年地域のために貢献された婦人科クリニックが相次いで閉院されたことも、このタイミングで開業を決意する後押しとなりました。小さなクリニックですが、患者様の不安な気持ちを和らげる診療を目指しています。また、近隣のクリニックや総合病院との連携を大切にし、当院での診療が難しいと判断した場合は、早めに診療をお願いするようにしています。
診療内容について、院長(夫)は、不育症・周産期・遺伝診療を専門とし、副院長(妻)は、女性医学・周産期を専門としておりますが、これらの専門分野以外にも、女性のライフステージと症状の変化に合わせた幅広い診療を心掛けています。近年月経に関連した疾患が注目され、特に月経困難症や月経前症候群、更年期障害など頻度の高い疾患については、積極的治療・オーダーメイド治療が推奨されています。当院では、一般的な漢方療法やホルモン療法に加え、生活指導カウンセリングやサプリメントなども取り入れ、患者様の症状改善を図っています。他にも当院での特徴的な診療として、超音波を用いて大腿骨・腰椎の骨密度を測定する骨粗しょう症検診や、手動真空吸引法による痛みと負担の少ない流産手術などを採用しています。該当する患者様がおられましたら、ぜひご紹介いただければ幸いです。
なお、当院では妊婦健診も行っています。当院での管理をご希望される妊婦さんに対しては、通常の妊婦健診に加え、出生前検査や胎児スクリーニングエコーなど、お一人お一人の状況やニーズに合わせた個別化診療を心掛けています。さらに、複数名の助産師も在籍しているため、妊娠中の生活指導や急変時の対応など、あらかじめ指導・相談し、安心して妊娠生活を過ごしていただけるよう努めています。一方、当院では分娩は取り扱いませんが、順調な妊娠経過が確認できる時期(妊娠32週ごろ)まで連携施設と協力して管理し、その後はご希望される地域の分娩施設へご紹介させていただいております。妊婦さんの利便性・満足度を向上し、結果的に少子化の進行防止に少しでも貢献できればと考えています。
まだまだ未熟ではありますが、これからも地域のかかりつけ婦人科クリニックとして、患者様の生涯にわたる健康をサポートさせていただければと思っています。今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。