小松原 孝夫
2023年5月10日に、新潟市西区小針で『菜の花こどもクリニック』を開院いたしました。当院は小児科とアレルギー科を標榜しております。
平成20年に新潟大学を卒業後、長岡赤十字病院で初期臨床研修を修了し、鶴岡市立荘内病院や長岡中央綜合病院など、県内外の一般小児科診療に従事し、小児神経分野を専門領域として、国立病院機構西新潟中央病院、国立病院機構新潟病院、社会福祉法人長岡療育園等に勤務してまいりました。
当院は、「誰もが、安心して通える、小児科クリニックを作りたい」をコンセプトに掲げており、完全予約制・完全個室制の回診式診察を導入しております。個室は全部で10室(+感染対応室1室)あり、患者様は事前にウェブで予約して、来院後はそのまま個室で待機、私が個室を回って順番に診療するという、病棟回診のようなスタイルを採用しております。
開院を考え始めた時期が、新型コロナウイルス感染症の流行と重なったこともあり、今、患者様が求めていることはなんだろうと考え、まず、感染症への不安を払拭したいと考えました。完全個室制ですので、診察終了するまで他の患者様との接触なくお過ごし頂き、廊下や会計時にすれ違う程度で済むような設計にしております。また、水疱瘡やおたふくかぜなど、特に感染力が強い感染症については、感染対応室を別に用意しておりますので、感染が疑われる場合には事前に連絡の上、別の入り口から入ってもらう動線もつくっており、新生児から妊婦さん、ご高齢の方にも安心してご来院頂けるようにしております。
ロゴマークの「H」は、ハピネスやユーモア、ホスピタリティー、そしてホームの頭文字でもあり、患者様とご家族が、個室で自分の家のように、安心して快適に過ごしていただきたいという願いを込めました。
私にも小さな子どもがいますので、これまでの小児科診療の経験から、親の目線で見て、不便なところを払拭したいと考え、靴のまま、ベビーカーのままでも入室できるよう、院内バリアフリー設計にしました。小さな子どもがいると荷物も多くなりがちですし、何人もお子さんがいる場合は、全員分の靴を脱がせてまた履かせるだけでも大変なお手間だと考えたからです。また、診察終了後は、会計の準備ができたら呼び出しベルでお知らせするシステムを導入しており、診察前後のお着替えも個室内でゆっくりしてもらうことができます。なお、感染症対策の面からキッズスペースやおもちゃが用意できなかったので、待ち時間に自由に使って遊んでもらえるように、子ども向けのタブレットをご用意しております。
完全個室制・回診式診察は、全国の小児科クリニックで、少しずつ広がっている診察スタイルではありますが、まだ前例も多くなく、オペレーションや患者動線など、クリニックごとに多くの工夫が必要となりますが、なんとか仕組みも少しずつ出来上がり、スタッフも経験を積み、ようやく小児科クリニックとしての診療スタイルが整ってきたところです。地域の皆さまに長く愛される小児科クリニックになれるよう、今後も、患者様のお声を聴きながら、少しずつ良いクリニックを作っていきたいと考えております。
今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。