杉野 健太郎
2024年4月11日、新潟市秋葉区に新潟県内で20年ぶりの新設となる産婦人科有床診療所「新潟レディースライフクリニック」を副院長の松本賢典とともに開院しました。
当院のコンセプトは「女性のトータルライフをサポートする」です。分娩が診療の柱ではありますが、思春期から老年期までシームレスにサポートすることでQOLを上げるお手伝いができればと考えています。当院ではコミュニケーションを取ることを何より大切にしており、来院された方の不安に感じていることを引き出すような診療になるように心がけています。当院を受診することで、少しでもスッキリした気持ちで帰っていただきたいと思っています。
産科では、当院の基準でローリスクの方に限定して分娩を扱っています。分娩については、特定の方法に固執せず、出産される方やご家族と相談しながら、最善の方法をとっていこうと考えています。基本的には、母子ともにストレスの少ないソフロロジー式分娩を推奨していますが強制はしていません。赤ちゃんの体調管理において「3つの低(低体温・低血糖・低酸素)」を起こさないことが重要と考え、「温めるケア」を行っています。産まれる前は37~38度の子宮にいた赤ちゃんが、外界に出たとたん25~26度の室内環境に置かれると低体温症を起こし、さまざまな合併症につながる懸念がありますので、赤ちゃんは早期母子接触も行いますが、全例保育器内で管理し、徐々に環境温を下げて体を慣らすようにしています。そのため、哺乳が良好で嘔吐も少なく、生後の体重減少も少なく、代謝が良いため正期産児で黄疸に対する光線療法の対象となる子がほとんどいないという、非常に良好な結果を得ています。
婦人科では一般的な婦人科診療に加え、不妊治療(人工授精まで)も行っています。特徴的な点として、自費診療が充実しており、特にオーソモレキュラー栄養療法に力を入れています。体は摂取するもので作られるため、栄養解析をしっかり行い、それに基づいて必要な栄養素を摂取することを推奨しています。
妊娠前に性感染症などを検査する「ブライダルチェック」が一般的にも認知されてきていますが、今後はそれをより強化した、妊娠前に栄養解析を行い、コンディションをより良い状態に整えた状態で妊娠する、という流れを広めたいと考えています。妊娠率の向上だけでなく、良好な周産期予後にもつながると期待しています。
新潟の産婦人科診療の発展に貢献できるよう、スタッフ一同、診療内容を工夫しながら満足度の高いクリニックにしたいと考えています。よろしくお願いいたします。