院長 鈴木 雄太郎
新潟市医師会の皆様におかれましては、平素から医療法人敬愛会末広橋病院、介護医療院アビラ大形(2025年4月に介護老人保健施設から転換致しました)がお世話になっており、また私は現在、新潟大学医歯学総合病院精神科において外来も担当させていただいておりますが、円滑な病診連携にご協力いただき大変感謝しております。
この度、2024年5月8日に「新潟駅前ストレスケアクリニック」を開設致しましたのでご紹介させていただきます。当クリニックは医療法人敬愛会末広橋病院のサテライトクリニックという位置づけであり、大人になってはじめて気づかれる神経発達症を専門としておりますが、専門的なクリニックを新潟駅前に開設した理由は以下となります。
- 厚生労働省「患者調査」では、令和2年の精神科外来患者数は20年前の2.2倍の586.1万人となり、特にこの10年間では1.5倍と爆発的に増加している。
- 疾患別では神経発達症を含む「その他の精神及び行動の障害」が78.9万人で、10年前と比べて2.5倍に増加し、精神疾患の中で最も増加率が高くなっている。
- 末広橋病院外来では、「大人の神経発達症」の初診患者が最も多く、更に今後も増加していくと予想され、また、適応反応症などのストレス因関連症やパーソナリティ症の発症に「大人の神経発達症」の存在が大きく影響している場合が多い。
- 新潟市内だけでなく県内においても「大人の神経発達症」を専門的に診療する医療機関が少ない。
- 「大人の神経発達症」の患者は、大学生や専門学校生、就労支援施設など含めて仕事をしている方が多いため、アクセスのよい場所での開業が必要。
これらの精神科医療上の必要性に加えて、変わりつつある新潟駅周辺で仕事をしたいという私の個人的な思いもありました。私は新潟市中央区東堀通13番町で生まれ、同居していた祖母が十代の頃に古町で芸妓をしていたこともあり、小さい頃は祖母の買い物が終わるまで鍋茶屋通りの置屋に預けられ、芸妓の方々によく遊んでいただきました。また小中高校を通して古町は通学路であり、万代エリアと共に友達と遊ぶ場所でもありました。そのせいか私は新潟愛(古町愛?)が非常に強いと思います。近年、古町は少し元気がないですが、2024年新潟駅とバスターミナルが新しくなり、それにともなって新潟で最初のオフィスビルであった新潟帝石ビルディングが INPEX新潟ビルディングとして生まれ変わるなどビルの建て替えも進み、同時に、新潟駅周辺に多くの新しい企業が誘致されてきています。古町ではないですが、同じ中央区のこうした大きな動きの中で仕事をしたいという気持ちは10年以上前からあり、ようやく実現することができた次第です。
クリニックの開設場所については、2021年頃から探し始めましたが、新潟駅が新しくなるということもあり、少し前まで空いていたテナント物件があっという間に埋まってしまうなど苦労をしました。そのような時に亡母もお世話になった日生不動産グループの内藤博代表取締役社長が、ご多忙の中私の拙いプレゼンテーションを親身になって聞いてくださり、現在の場所をご紹介いただきました。大変感謝をしております。
内装工事は、2014年に自宅を建てていただいてからお世話になっているroomz/株式会社星野建築事務所にお願いしました。当時、ハウスメーカーで悩んでいた時にまだ現在程有名ではなかった星野建築事務所を偶然知り、星野貴行代表取締役社長の設計案をみせていただいた所、一目で気に入り自宅の設計をお願いしました。こうした経緯もあり、クリニックの内装は以前から同社にお願いしようと考えており連絡を入れた所、この10年で新しい新潟駅の内装まで任される程評価の高い建築会社となっており、私は驚くと共に嬉しくなりました。新潟駅中の工事が忙しい時期で、更にクリニックの開業スケジュールもタイトな中、「どうせ新潟駅で仕事をしているので、目の前の現場ですから是非やらせてください」とおっしゃっていただいた星野社長、松﨑友和営業部長には大変感謝しておりますし、内装の仕上がりにもとても満足しています。
こうした様々なご縁があり、ようやくスタートできたクリニックでありますが、今後も多くの方とのご縁を大事にして、更なる発展が期待される新潟で暮らす多くの方々が、より生活しやすくなるような医療を提供させていただきたいと考えております。皆様方におかれましても、引き続きご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。