湯川 尊行
この度、令和3年5月10日、新潟市秋葉区新津に「新津メンタルクリニック」を開院させていただきました。
院長の湯川尊行は、阿賀野市(旧水原町)出身です。平成15年に山形大学を卒業し、新潟市民病院での2年間の内科研修を経て、平成17年に新潟大学精神医学教室に入局しました。新潟大学医歯学総合病院、小出病院、真野みずほ病院等、県内各地の病院の精神科に勤務した後、前任地である魚沼基幹病院に5年間勤務し、後半の3年間は科長を務めさせていただきました。
世界的な精神医療の脱入院化の流れの中、地域の精神医療ニーズに応えるため、また、地域の基幹的な病院を支援するためにも、新潟県には、まだまだ精神科のクリニックが求められていると感じていました。「地元で腰を据えて外来中心の診療をしてみたい」という自己本位な気持ちもあり、齢四十を過ぎた頃から、精神科のクリニックの開業を考えていました。そんななか、新津に医療モールの構想があるというお話をうかがい、渡りに船のように感じ、開院を決断しました。
新津駅から徒歩約15分、「コモタウン新津・ウオロク新津店」様の裏手、高速道路、バイパスICからも近く、分かりやすい立地と、完全予約制ではあるものの開院間もなく比較的新患予約を取りやすいことから、秋葉区周辺地域のみならず、中越、上越地方からもご来院いただいています。
当院はホームページで、「成人の精神疾患全般と心身症の初期診療と外来治療を行います」とうたっております。不安障害や適応障害等の神経症圏の患者様が多いですが、統合失調症、双極性障害、発達障害、アルコール使用障害、認知症の患者様もいらっしゃいます。原則として高校生以上を診療対象としておりますが、受診理由によっては、小児の患者も受け入れており、実際には中学生も通院しています。
建物はアイボリーを基調とし北欧モダンをイメージした明るい雰囲気のデザインにしました。昨今の、感染対策、非接触ニーズに応え、会計窓口には自動釣銭機を導入しました。診察室、処置室、相談室2室、多目的室、磁気治療室があります。
「磁気治療室」は、うつ病・うつ状態の患者様に対する経頭蓋磁気刺激(TMS)治療を行うための部屋です。比較的大きな音が出るため防音機能が施されています。地域でTMS治療を必要とする患者様に、この治療を提供したいと考え、磁気刺激装置(マグプロシステム)を導入致しました。ただし、公的医療保険が適応されない自由診療として実施しています。
院長は、魚沼基幹病院に在籍中、治療抵抗性統合失調症患者に対するクロザピン治療の有効性の高さを実感し、是非、クロザピン治療の普及に貢献したいと考えていました。このため、開院に際して、魚沼基幹病院の協力を得て、「クロザリル通院医療機関」の登録手続きを行い、令和3年7月15日付で登録されました。クリニック・診療所としての登録は新潟県初であり、これも当クリニックの特長の一つと言えるかと思います。当院の試みがクロザピン治療普及の一助となれば望外の喜びです。
質の高い医療サービスを提供できるよう努めると共に、誠実で親切丁寧な診療をこころがけ、地域の皆様に信頼されるクリニックとなれるようにスタッフ一同尽力して参る所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。