本会は新潟市内の医師約1,600名を会員とする公益法人(昭和22年11月民法に基づく社団法人認可)で、医学の振興、市民の医療・保健・福祉の充実・向上に寄与するため日々努力しており、急患診療センター、地域産業保健センターの運営、予防接種、各種検診など地域医療に密着した様々な活動を実施しています。
※平成25年4月1日より一般社団法人に移行しました。
目標は「小さな医師会」である。
そして「強い医師会」になることを願う。
昨年7月から新執行部に移行して、理事会のメンバーも若返りを図った。とてもアクティブで柔軟性に富んだ理事たちなので、各論は彼らの夢と抱負を読んでいただきたい。私はここで総論的な話題を提供する。
直近の診療報酬の実質上マイナス改定、少子高齢化の影響、社会保障費全般に対する国の施策、特に財務省マターによる医療費への圧迫、新潟県独自の問題としての医師不足と医療資源の偏在、これらにより、日本の医療業界は当然のこと、新潟県ひいては政令指定都市である新潟市の医療情勢は、かつてない危機的な状況を迎えている。この難局を乗り切るために、医師会長としてどのような舵取りをするか、その指針を示した。
前年度重点項目として挙げた医師会事務局の体制強化の確立、医療系学生教育への協力、新潟市における医療DX推進の3項目を再度重点項目に設定し、事業展開をしてゆく。医師会事務局の体制強化については、他郡市医師会との交流事業を継続するなどのことをしてゆく。医療系学生教育については、特に新潟大学医学部1年生への早期医学体験実習(EME)に対する協力を継続してゆく。医療DX推進については、新潟次世代医療科学研究協議会(N[EXT]A)が概ねその初期の目標を達成したことにより当会の事業としては行わなくなったことに伴い、新たな方策を検討してゆくこととする。
会員、班や医会の意見の拾い上げや情報発信については、特に重要な事項であり班長会議と専門医会幹事会をより有意義なものになるように実施してゆく。また、班や専門医会の現状を把握するとともに、課題を抽出するために各種アンケートをその都度必要に応じて実施してゆく。班については、少人数の班の再編成を今後実施してゆく必要があるが、簡単には解決しない問題なので、時機を見て迅速に対応できる態勢を確保してゆく。また、学校医・園医の委嘱に関して小児・学校保健部に協力してゆく。
医学教育に対する協力としては前述したEMEに対する協力に加えて、当会総会に医学部学生を招く取り組みを継続し、医学部学生が医師会について理解したり医師会員と直接交流したりする機会を持てるようにしてゆく。
事業の見直しに該当する事業としては、地域医療連携推進事業を挙げられる。制度が制定されてから相当の年月を経ているため、現在行われている活動の実態を確認することから始めて、事業の見直しが必要であるかどうかを見極めてゆく。
災害医療に関しては、災害時情報収集訓練を「防災の日」を目安に実施し、会報を通じて訓練結果の報告を行う。また災害時の活動について、能登半島地震での活動も踏まえて関係各所と協力して対策を検討したい。
医療安全に関しては、引き続き医療安全管理研修会を開催する。
警察医関連の事業では、警察医研修会を2回実施予定だが、新潟県医師会とも緊密な連携を取り、研修会のあり方や課題の対策を協議していく(研修会に参加できなかった時に、録画したものを視聴できるようにする、検案に協力いただく先生方に手技を含めた研修を行っていただけるような方法を検討するなど)。会員の意識付けのためにも、新規開業医に向けた勧誘、会員へのアンケートを適宜実施する。
広報部の事業は、今年度も新潟市医師会報の発行とホームページの運営を重点的に行う。いずれも正確で質の高い情報を速やかに提供することが重要な目的であり、会報編集委員会、ホームページ小委員会の協力を得て目的の達成を目指す。
現状では、新潟市医師会報は冊子体で発行されており、サイズがB5判であるが図表が見えにくくなることがある等の理由で、A4判に変更することを検討する。また同時に電子化して配布することも検討する。すでに冊子全体をPDF化し、ホームページの「会員の皆様へ」ページに掲載しており、第397号から直近までの会報がいつでも閲覧できる状態である。冊子体のみで保存していた創刊号から第396号も、PDF化してホームページに掲載予定である。
また1991年11月に『新潟市医師会史』が発行され、2008年11月には『新潟市医師会創立百周年記念誌』が発行された。2027年は120周年であり、記念誌を発行するかどうか、発行する場合はどのようなものにしていくかを検討していく予定である。さらに今後一定期間ごとに医師会活動の総括の意味もあり、記念誌発行が望ましいと考えるが、そのための記念誌発行体制の確立を目指していく。
今後は若い医師向けにホームページ、スマートフォン版の読みやすさや利便性をさらに追求していきたい。
学術部の活動の目的は、医学研究の振興ならびに医師の生涯教育の充実を図ることである。その主な活動として、1)新潟大学医学部との連携によるシンポジウム等の開催、2)若手医師・研究者の学術面における支援、3)将来の医療を支える医学生教育への貢献などがあげられる。活動の手段として、インターネットやICTなどを最大限に活用しながら、更なる情報発信と持続可能な活動を行っていく予定である。
病院・勤務医部は、市内病院で働く勤務医の労働環境改善を最優先の目標として活動を続けている。新潟市にはさまざまな経営母体の病院が存在し、それぞれの規模や役割が異なるため、勤務医が抱える課題も一様ではない。しかし、現場の声を吸い上げて情報を共有することで、勤務医への支援活動をより充実させていきたい。
タスクシフトによる勤務医の負担軽減を目的とした医療クラークの研修・支援活動は、病院・勤務医部の主要な活動の一つとして定着し、軌道に乗っている。今年度はそれに加え、日本医師会が掲げる組織強化方針に基づき、市内勤務医の医師会入会を促進する活動を計画している。
新潟市は「新潟市総合計画2030」において「自分らしくいきいきと安心して心豊かに暮らせる地域共生社会の実現」を目指し、新潟市地域包括ケア計画 [新潟市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画](第9期計画)を策定している。令和7(2025)年に団塊の世代が75歳以上となり、令和27(2045)年に高齢者人口がピークを迎える。一方で、生産年齢人口が急減することが見込まれており、中長期的な状況を見据え医療と介護の連携強化は急務と考える。そのために地域全体で高齢者を支える仕組み「地域包括ケアシステム」をさらに深化・推進させ、支え合いの地域づくりの促進、介護人材確保の取り組みの強化、在宅医療・介護連携の促進、認知症施策の促進への取り組みが求められている。
医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者の増加が見込まれることから、住み慣れた地域で継続して日常生活を営むことができるように、日常の療養支援、急変時の対応、看取りなどさまざまな局面において、在宅医療と介護の提供に携わる関係者が連携し、切れ目のない支援できる体制の構築が求められる。
医療と介護の連携においては、より円滑な情報共有が出来るように強化できるように、SWANネットの利用を推進していきたい。
介護面の強化としては、ケアマネジメントの質の向上を目指して、新潟医療福祉大学が行っている多職種合同介護ケアプラン検討会にスーパーバイザーとして参画した。今後も引き続き現場の声を聞き、実行力のある医師会として取り組んでいきたい。
在宅医療部は、在宅医療推進センターと在宅医療・介護連携センターの両センターの運営を行うことで、医療連携の推進と地域における医療・介護人材の育成、多職種連携の強化、そして在宅医療についての市民への普及啓発を主たる業務として取り組んでいる。
また、在宅医療を推進するにあたり、医療介護連携における情報共有の重要性が増してきている。当会において推進しているSWANネットはまさにそのためのツールである。利用施設数も新規導入説明会の開催や訪問診療の場においてICTを利用した情報共有に対する点数評価(在宅医療情報連携加算 等)もあり増加傾向にある。今後もSWANネットのさらなる普及啓発を行う。
次に、今後さらに増加する認知症患者に対する対応も大きな課題である。認知症領域は医療と介護の連携がますます求められる。引き続き、認知症委員会を開催し、課題解決に向けた議論を重ねたい。具体的には、認知症サポート医の役割に関すること、そして認知症診療連携の顕在化(フロー作成)を行いたい。また、認知症治療における新薬が発売され、今までとは異なる連携が求められている。連携の際における注意点や課題などの共有のためになるべく多くの情報を発信していきたい。さらに地域における医師同士の認知症の連携を強化するために年2回の研修会を開催してきたが、今年度も継続していきたい。
救急医療部は、新潟市内の救急医療体制の確保と整備・維持、並びに各種災害時における医療関連事業を担当する。
令和7年度も、新潟市急患診療センターを中心とした初期救急医療体制の整備を引き続き検討するとともに、西蒲原地区休日夜間急患センターの持続可能な運営について、行政と協議しながら検討する。
また、新潟市急患診療センターへの電子カルテ導入に向け、新潟市が入札により導入するシステムについて、医会をはじめとする関係者の協力を得ながら、業務フローの整備や管理体制の構築により、業務の効率化と診療の質の向上を図る。
新潟市の救急出動件数は令和22(2040)年まで増加すると予測される。一方で、医師数不足などの問題はより深刻化すると考えられる。新たな救急拠点病院の選定や県央基幹病院の開院、市内医療再編が進む中、本市の救急医療体制は変革期を迎えている。
医師の働き方改革施行後の状況を注視し、新潟医療圏の地域医療構想の方向性を見極めながら、周辺自治体との連携も視野に入れ、検討を行う。さらに、行政との密接な情報共有と連携を深め、限られた医療資源を活用し、無駄のない効率的な医療提供体制を構築できるよう、持続可能な救急医療体制の整備・維持に努める。
地域保健部は各種検診、予防接種、産業保健活動などを通じ、住民の健康維持を図っている。特定健診、各種がん検診は受診者がいまだに減少が続いており、今年度も行政と協力して受診率の向上を図る。メジカルセンターは人間ドック、各種健康診断は他検診施設に委託し、各検診施設、各医療機関のまとめ役としてデータの集約管理と精度管理を主体としての業務に移行、メジカルセンターが主導し、各がん検診委員会の開催によりがん検診の改善とデータ集積を行う。また検討会、研修会を数多く開催し、各医療機関の検診精度を上げていく。
また、各種予防接種については接種の遅れ、接種率の低下が続いている。特に、子宮頸がんワクチンの接種率低下は持続している。ワクチン接種の遅れ、接種率低下を改善させるため行政と協力して市民への啓発を図っていく。
産業保健については県医師会及び地域産業保健センターと連携し、産業医の活動、講習会に対しての支援を行うことにより、企業で働く従業員の健康リスクを未然に防いでいく。
社会保険部では厚生労働省関東信越厚生局等、関係機関からの診療報酬、介護報酬に関する適時・適切な情報収集に取り組むとともに、会員への速やかな情報提供につとめ、会員各位が日常診療を適正かつ円滑に行えるようにする。
令和7年度は、引き続き診療報酬改定後の、医療DXの推進、地域包括システム、医療従事者の人材確保、賃上げ、働き方改革等の推進等の情報の発信、共有に取り組む。
指導大綱に基づく社会保険医療担当者の指導・監査について、適正な実施に向けて厚生労働省関東信越厚生局、県医師会と継続的な協議、立ち会いを行うとともに、適切な保険診療の推進に取り組む。
令和6年4月1日より1か月健診と5歳児健診に対して助成が実施され、全国各自治体で健康診査の実施体制が準備されている。新潟市においても「乳幼児健康診査あり方検討会」を通じて実施方法や事後処置についての体制の構築を検討中である。
学校保健では、開業医の高齢化に伴い閉院する医院が増加し、それに伴い学校医・園医が不足している状況にある。総務部とともに医師会と各班との連携を強化して、新規開業医師に学校医活動への参加を促し学校医・園医の活動を支援することが必要である。学校医活動のモチベーションを上げる一つの手段として、全国政令指定都市では最低ランクの学校医報酬を県医師会と連携して実態を把握し、新潟市への要望事項としたい。
心臓病検診、腎臓病検診、糖尿病検診については外部業務委託できるところは委託してメジカルセンターの負担軽減を図りたい。
成長曲線を用いた検診についてはこれまでの新潟方式を活用して学校医の負担を軽減しつつ課題の検証を続けていく。
健康診断時の脱衣について文科省から「児童生徒等のプライバシーや心情に配慮する」よう通達が出された。それに対して学校・学校医・健診医に健康診断実施のための環境整備の考え方や対応、配慮などについて教育委員会から連絡があった。
今後の健診では新たな課題が出ることが予想され、さらなる検討が必要になることが考えられる。
協同組合事業では、所得補償保険をはじめとする各種損害保険や、不正アクセスによるサイバー攻撃や情報漏洩などに起因して生じた損害にも対応している「医療機関用団体サイバー保険」への加入を勧めていく。自動車・不動産・新電力などへの顧客紹介も従来通り行っていく。事業承継・代診など、会員からの様々なご要望に応えられるようにしていく。また、昨今の医療資材の高騰に対応すべく、各医療機関にとってメリットのある共同購買商品の紹介を行っていく。
忘年会福引抽選会、各種レクリエーションの開催、公認クラブへの助成を行っていく。昨年度はワイン部、ジャズ部が新規に認可されたが、今年度も公認クラブのさらなる新設を進めていく。各公認クラブには、定期的に新潟市医師会報に活動状況の報告を投稿してもらい、会員に公認クラブの活動内容についての周知を図っていく。
これらの活動を通して、会員の福祉増進に今後も積極的に取り組んでいきたい。
厳正な会計処理を徹底し、財務状況を明示した適正な決算書を作成する。また、新潟市医師会のアフターコロナでの将来構想や時代の変化に対応するため、長期的な視点で業務の変化を注視し、適切な対応を行う。
当会の主たる事業である「新潟市急患診療センター」の収支管理、会館建設引当資産の運用に関しても継続的に検討していく。また、収益事業と公益事業を含む各事業の収支についても注視し、適切な収益確保と社会貢献を両立させるよう努める。
組織として、会計に関するコンプライアンスの徹底およびガバナンスの強化を推進し、健全な財務基盤を維持する。
部 | 担当副会長 | 部長 | 副部長 | 担当理事 |
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総務部 | 大滝 一 山本 泰明 |
熊谷 敬一 | 阿部 行宏 | 八木澤 久美子 寺島 哲郎 |
医療安全部 | 大滝 一 山本 泰明 |
阿部 裕樹 | 山口 雅之 | 廣川 徹 岡崎 史子 |
広報部 | 大滝 一 | 八木澤 久美子 | 熊谷 敬一 | 竹之内 辰也 山口 雅之 藤澤 正宏 |
学術部 | 大滝 一 | 岡崎 史子 | 廣川 徹 | 竹之内 辰也 五十嵐 修一 山崎 昭義 |
病院・勤務医部 | 山本 泰明 | 竹之内 辰也 | 山崎 昭義 | 熊谷 敬一 五十嵐 修一 岡崎 史子 江部 和人 |
地域福祉部 | 大滝 一 山本 泰明 |
丹羽 恵子 | 藤澤 正宏 | 阿部 行宏 寺島 哲郎 江部 和人 |
在宅医療部 | 大滝 一 山本 泰明 |
江部 和人 | 藤澤 正宏 | 阿部 行宏 八木澤久美子 寺島 哲郎 丹羽 恵子 |
救急医療部 | 大滝 一 山本 泰明 |
山崎 昭義 | 五十嵐 修一 | 山口 雅之 阿部 裕樹 廣川 徹 江部 和人 |
地域保健部 | 大滝 一 山本 泰明 |
寺島 哲郎 | 八木澤 久美子 | 熊谷 敬一 江部 和人 藤澤 正宏 丹羽 恵子 |
社会保険部 | 山本 泰明 | 五十嵐 修一 | 竹之内 辰也 | 山崎 昭義 阿部 裕樹 岡崎 史子 |
小児・学校保健部 | 大滝 一 | 廣川 徹 | 阿部 裕樹 | 山口 雅之 |
福利厚生部 | 山本 泰明 | 山口 雅之 | 寺島 哲郎 | 廣川 徹 藤澤 正宏 丹羽 恵子 |
会計部 | 大滝 一 山本 泰明 |
阿部 行宏 | 丹羽 恵子 | 八木澤 久美子 |
監事 | 荻荘 則幸・高橋 英明 |
急患診療センター | センター長 | 山添 優 | ||
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在宅医療・介護連携センター | センター長 | 阿部 行宏 | 副センター長 | 江部 和人 |
担当職員 | 業務内容 | |
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事務局長 | 山下 洋 | 総括 |
係別 | 担当職員 | 業務内容 | |
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課長 | 山上 泰明 |
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会計係 | 係長 | 松田 裕美子 |
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主事 | 五十嵐 美咲 |
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主事 | 土田 賢大 |
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(臨) | 高野 加奈子 |
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事業係 | 係長 | 井浦 健吾 |
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主査 | 清水 里絵 |
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主事 | 山田 薫 |
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主事 | 本望 弦 |
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(出向社員) | 高野 朗 |
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救急係 | 係長 | 市川 明史 |
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主査 | 加藤 絵美 |
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主事 | 今井 哲夫 |
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(派) | 佐藤 利恵子 |
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(臨) | 佐藤 友美 |
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係別 | 担当職員 | 業務内容 | |
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課長 | 斎川 克之 |
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課長補佐 | 山上 留美子 |
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地域保健係 | 係長 | 本間 千代子 |
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主査 | 伊藤 亜由美 |
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主事 | 石原 希実 |
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主事 | 馬場 貴之 |
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(派) | 小林 亮子 |
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小児学校保健係 | 係長 | 山上 留美子 |
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主査 | 杉山 精一 |
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主査 | 田代 舞 |
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(臨) | 神田 由紀 |
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(臨) | 葛西 恵美子 |
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(臨) | 斎藤 あゆみ |
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地域医療推進室 (地域医療福祉係) |
室長(兼) | 斎川 克之 |
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主査 | 細道 奈穂子 |
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主査 | 坂本 優 |
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担当職員 | 業務内容 | |
---|---|---|
(兼) | 井浦 健吾 |
担当職員 | 業務内容 | |
---|---|---|
(兼) | 山下 洋 |